◆ 当面の休診日のお知らせ ◆

 当面の休診予定日をお知らせいたします。                                                                                *3月:3月6日(土)、3月13日(土)は休診。                                                                                 *4月:4月9日(金)の夜診は学会参加で休診。 さらに、4月10日(土)、4月17日(土)は休診。  

*5月:5月1日(土)、5月15日(土)は休診。 さらに、5月20日(木)の夜診は学会で休診。                                                 

◎土曜日は不定期に休診いたしますので、ご予約なしに受診される場合は予め必ず電話にてご確認下さい。


● 新型インフルエンザはどうなったの?●

  今年に入ってようやく新型インフルエンザワクチンを接種できるようになったと思ったら、新型インフルエンザにかかる人が急激に減ってきました。そればかりか、この冬は例年の季節型のインフルエンザもとんとみられず、例年に比べて通常の風邪にかかる人もずいぶん少なかったように感じます。 3月中旬の日曜日の日中、泉北の急病センターの出務がありましたが、やはり来られる患者さんは大半が感染性胃腸炎(ノロウイルスの感染症)らしき人ばかりで、それでもこの時期にしては風邪症状の来院者がずいぶん少ない印象でした。昨年9月の秋分の日ころにも泉北急病センターの出務にあたりましたが、その時は新型インフルエンザに罹った方でごった返していて、日中だけで内科患者さん100人以上診てへとへとになりました。それと比べるとなんと落ち着いてきたことか!          

 本年2月始めに医師会で新型インフルエンザの現状についての研修会があり、参加しましたので、そこで得た情報をお伝えいたします。 今までの流行を振返ると、世界の中でも日本では新型インフルエンザによる死者がかなり少なく、日本では初期治療が迅速に行なわれてきたこと(諸外国では「高熱が出たら家から外に出ないように」徹底されたのに対して、日本ではすぐに医療機関に受診できて、治療にすぐに取り掛かれたことや重症者を早く拾い上げることができた)が要因ではないかと話されました。  また、かつての新型インフルエンザ(スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜ等)が流行した後は、理由ははっきりしないが、それまで流行っていた季節性のインフルエンザのウイルスが消滅したとのことで、この冬、季節性のインフルエンザが全くみられなかったのも同じ現象が起きたと考えられます。 さらに、新型インフルエンザに罹らなかったと思われる人も、実際には「不顕性感染」(ウイルスが体内に紛れ込んだのに、発病をしなかったもの)を起して既に免疫が出来ている人が結構多いのではないかとも話されました。

 まだ油断はできませんが、現在の新型インフルエンザはもう流行しない可能性が高いとのことです。新型インフルエンザのワクチンが大量に余っているのをどうするんだア~と叫びたくなります! 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ではありませんが、新型インフルエンザ流行で強調された感染予防対策(流水や石けんによるこまめの手洗いが簡単でもっとも効果的)は飛沫感染する感染症対策の基本ですので、今後も続けて下さい!!(院長)


 ■ ロコモーティブシンドロームと予防について(バランス訓練の勧め) ■

 「ロコモーティブシンドローム(運動器症候群)」という言葉を最近よく耳にしますが、運動器(骨・関節・背骨)の障害で、転倒などの事故に遭いやすくなり、骨折、寝たきりへとどんどん進む病態を指します。 実際、介護が必要となる原因の中の第1位が運動器障害なのです!(ちなみに第2位が脳血管障害) では運動器(骨・関節・背骨)の障害が進まないようにするにはどうしたら良いでしょうか? 日頃からしっかりと運動することが大切です。 特にバランス能力を鍛えることが重要です。 

①1日あたりの歩行時間が長い人ほど転倒する危険が減る: 1日30分以上、歩きましょう! 

②バランス能力を高める運動の勧め: 片足立ち訓練・・・片足につき1分、計2分の片足立ちを毎日行なうことでバランス能力がアップします。 何も持たないで安定して立てない人は、机などに片手を置いて支えながら片足立ちをしてもOK!(但し、もう一方の腕は腰に当てずに真直ぐ下に下ろすことが重要) この片足立ちをしながら歯磨きするのがお勧めです! 

さらに脚の筋力アップ体操: 膝を伸ばした状態で座り、つま先を背屈(足の甲の側に反らせる)した状態で、その片足を床から10cm上げた状態を10秒間続ける、左右交互にそれを行ない、計20回ずつ行なう。 テレビを見ながらの「ついで」で行えばどうでしょう。

 ①②③を習慣にして、運動器を鍛えましょう! (院長)


♡ 副院長がお勧めする本の特集 ♡

 今回は、嶋田文子副院長が最近読んだ本の中でお勧めのものを一気にご紹介いたします。

 ◇致知出版「死ぬときに後悔すること25」  緩和医療医・大津秀一著 1500円+税

 当院の密野看護師お勧めの1冊です。著者は終末期医療に携わる医師で、終末期の患者さんが後悔していること25の事例について解説を加えています。 死に直面したとき、自分は何を後悔するだろうか、後悔を残さないためには今何をなすべきかを考えるきっかけになると思います。

 ◇ソフトバンク新書「余命半年 満ち足りた人生の終わり方」  緩和医療医・大津秀一著  760円+税

 上記と同じ著者の本です。「あなたの余命は半年です。」…もし、あなたが突然そう宣告されたらどうされるでしょうか? この本では終末期に欠かせないツールである緩和医療の説明から、病前・病初期・病末期そして死の心得について多くの事例とともに解説しています。 満ち足りた最後を迎えるためにぜひ皆様に読んでいただきたい1冊です。

   以上2冊の中では、人間ドックの必要性について述べられています。 普段の診療の中でもお勧めしているように、ぜひ、年1回は定期的に人間ドックを受けてください。

 ◇朝日新聞出版社「言葉で治療する」 鎌田 實著 1200円+税

 TVドラマにもなった「がんばらない」の著者でもある鎌田實先生の著書です。 言葉で病気が治るわけではありませんが、患者さんや家族は医療者がかける言葉しだいで治療を受ける日々が天国にも地獄にもなります。 鎌田先生がこの本の中で述べられている言葉、「相手の気持ちに寄り添い、相手を受け入れ、温かい言葉をかける」ということは、医療の現場だけではなく、この世の中で一番求められているものではないでしょうか。 私たちもそれを実践できる医療者になりたいと思いました。

 ◇小学館「神様のカルテ」 夏川草介著 1200円+税

 地域医療に従事する医師が書いた本です。病院での患者さんとのふれあいを描いたフィクションですが、著者の優しさが心に響く内容です。 患者と医者がお互いに想いあい、信頼することですばらしい医療が実践できると思います。

 ◇集英社新書「不幸な国の幸福論」 加賀乙彦著720円+税

 医療の現場の話ではないですが、年間3万人以上の人が自ら命を絶つ国ニッポン。 物質的に豊かでも不幸を感じる人がとても多い国でもあります。 この本を読んで本当の幸福とは何かを考えさせられました。 地位・名声・財産は求めても求めても決して満足をすることはない。 足るを知り、挫折や逆境にあっても、悩み考えることにより自分を高めていこうとすることが幸福につながる。つまり、「人間の生きる姿勢が幸福をつくる。」というところにとても共感しました。


過ぎたるは及ばざるがごとし ・

 昨年秋に琵琶湖博物館を訪れ、水族館の担当者から面白いお話を聞きました。 琵琶湖にもアユがいるが普通のアユよりも小さく、それは餌になる苔などが深いところにしかなく、餌が少ないために身体のサイズを小さくして少ない餌でも生きていけるように順応した姿だそうです。 一般的に魚は餌が少なければ身体を小さいままに保って順応できるそうで、むしろ餌が多くなって水質が悪くなると生きれなくなる(魚を飼うと餌を与え過ぎて水質を悪くして死なせてしまうことがよくあります)とのこと。 人間の身体も現代のような飽食の時代が想定されておらず、過剰な栄養が身体を蝕む結果となっていることと同じだなアと思いながら話を聞きました。(院長)