院内報「こころ」
Medical Journal KOKORO
◆当面の休診日のお知らせ◆
当面の休診予定日をお知らせいたします。
※7月:7月11日(土)、7月18日(土)は休診。
※8月:8月1日(土)、8月29日(土)は休診。
☆夏季休診期間は、8月13日(木)~19日(水)で、この期間は全面休診となります。
◎土曜日は不定期に休診いたしますので、ご予約なしに受診される場合は予め必ず電話にてご確認下さい。
☆☆人間ドックのおすすめ☆☆ 副院長
「元気で長生きしたい。」とほとんどの方が思っているはず。 いろいろな病気を早期に発見するため人間ドックをお勧めします。 普段、当クリニックに通院されている患者さんでも、自覚症状がなければ、また、血液検査で異常がなければ、通常の保険診療ではさらに詳しい検査をする機会がありません。 私たち医者も、普段の診察だけでは身体内部の異常を拾い尽くすことは出来ません。 3人に1人ががんで亡くなる時代ですが、早期発見すれば、治癒させることもできます。 ただ、残念ながら早期のがんは自覚症状に乏しく、血液検査だけでは異常が出にくく、また「腫瘍マーカー」と言われる血液検査項目でも異常が出ないがんもあります。 自覚症状がないから自分は大丈夫と考えずに、年に1回人間ドックで体全体をチェックすることをお勧めします。 特に女性の方は乳がん検診や子宮がん検診も一緒に受けれる場合が多いので一度ですみます。
堺市の国民健康保険被保険者の方は人間ドックの費用を補助してくれる制度がありますので比較的安く受けることができます。(詳しくは各人に郵送されている特定健康診査受診案内をごらんください。) また他の保険でも、健康保険組合によっては人間ドックを受診できる場合もありますので、各保険組合にお問い合わせください。(文 副院長)
●「メタボ健診」(特定健診)に関する 最近の話題 (各種報道より)●
昨年4月から特定健診(いわゆる「メタボ健診」)が始まりましたが、健康悪化は
腹部肥満が原因との学説に基づき、腹囲や、身長と体重で計算する体格指数(BMI)が基準値を超えたうえ、血圧、血糖値、血中脂質の血液検査値が基準値を超えた場合、特定保健指導を受けることになります。 原則として40-74歳の被保険者と被扶養者が対象です。
今までの市民健診とちがって「受けなければならない」健診ですが、周知徹底できず、昨年度は低い受診率に終わっています。 最近、この特定健診の評価についての報道を目にしましたので、ここに掲載します。
・体重の8-13%減量が必要 メタボ改善の目標値 2009年4月16日 共同通信社より
メタボリック症候群や予備軍の女性約300人の調査で、メタボ改善には体重の8-13%の減量が必要だと、筑波大の田中喜代次(たなか・きよじ)教授らのグループが発表。 体重70キロの女性の場合、6~9キロの減量が目標値になります。
グループは「今回は女性だけの調査だが、男性の場合も、おおむね当てはまると考えられる」としています。
・メタボ:死亡率との関係調査 肥満でなくても危険性大 2009年4月16日 毎日新聞社より
◇メタボ重点健診に疑問
厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター部長)が全国の40-69歳の男女約3万人を対象に実施した大規模調査で、肥満でなくても血圧や血糖値など血液検査値に異常があれば、死亡の危険性が高まることが明らかになり、日本循環器学会誌などに発表。 研究班は「メタボ健診だけでは、太っていなくても病気を発症する危険性がある多くの人を見逃す危険性がある」と指摘。特定健診は導入後3年で見直しされる予定で、今後の議論の大きな根拠になる可能性が高いと思います。
心筋梗塞(こうそく)など虚血性心疾患は、メタボの場合、男性で約3倍、女性で約2倍、死亡する危険性が高かったが、肥満ではない人でも血圧や血糖値などが診断基準を超えた場合、死亡の危険性はメタボの人と同様に高く、病気の種類を問わない男性全体の死亡率もメタボの有無による違いはなかったとのこと。
また、8県の2万3000人を対象に実施した分析では、虚血性心疾患の患者のうち、高血圧が原因で発症したと推測されるのは全体の5割近くに上り、一方、メタボによって発症した割合は2割未満にすぎず、メタボ対策の効果は限定的とみられます。
日本人の死因の第1位であるがんの発症もメタボの有無は関係なかったとのこと。
津金部長は「肥満重点の対策で期待できる効果は小さく、禁煙や血圧の管理など効果が期待できる対策を推進すべきだ。」と話しています。
・体格指数「BMIが22.5-25」死亡率最低 2009年4月17日 読売新聞より
英国心臓財団などの研究グループは、肥満の程度を表す体格指数「BMI」が、22・5-25の人だと死亡率が最も低いとする研究成果を、英医学誌「ランセット」に発表しました。(BMIは、体重(キロ・グラム)を身長(メートル)の2乗で割った数。)
この範囲を超えた場合、心臓病や糖尿病、腎臓病などが原因で死亡する人が多く、BMIが30-35だと2-4年、40-45だと8-10年、寿命が短かったとのこと。
一方、BMIが22・5未満の場合には、呼吸器系の病気や肺がんなどで死亡する割合が高くなったとのこと。
日本肥満学会は、日本人のBMIの標準値を22とし、18・5未満は「やせ」、25以上を肥満としています。
◆熱中症にご注意◆ 看護師長 引石澄子
熱中症とは、発汗、循環機能に異常をきたし、体温の調節がうまくできなくなることによって起こる、様々な体の不調を総称した症状です。
体温調節機能がうまく働かなくなると、発汗による蒸発や皮膚からの熱放出を通じた体温のコントロール力が崩れ、体温が上昇して体の中に熱がこもってしまいます。 同時に、体内の水分や塩分のバランスも失われます。 それによってめまい、けいれん、吐き気、意識障害、頭痛、の症状が引き起こされます。 熱中症は、幼児、小児、65才以上の高齢者はリスクが高いと言われていますが、幼児から高齢者まで年齢を問わず起こりえます。
はっきりした自覚症状を感じることが少なく、ちょっと調子が悪い、気分が悪い、などの状態を放置しているうちに、症状が深刻になるケースが多いのも恐ろしいところです。
気温でいうと最高気温が30℃ぐらいから熱中症の患者の発生がみられ、33~34℃になると患者数が急激に増加。 しかし熱中症は炎天下で起こるわけでもなく、室内で軽い運動をしていても、湿度が高いため汗をかいても蒸発せずにからだの中に熱がこもり、起こる場合もあります。 室内で安静にしていた高齢者の方が熱中症で倒れる場合もあり、梅雨時に湿度が高い日に、体調がすぐれない子供が体内に熱がこもり起こる可能性もあります。 室内、車内、冬の室内など外見上汗をかいてなくても脱水症状が進み、熱中症となります。
<予防と対策> 体調管理、体温調節機能を助ける環境を整え、水分の補給をすることが基本です。 体調管理という点では睡眠不足、過労、風邪などで体力が落ちているときに、暑い外を歩き回ったり運動をしたりしないようにすることです 環境の調整と水分の補給という点では、風通しのよい吸湿性のある服を着たり、帽子や日傘を外出時に準備するようにします。 水分補給による予防はこまめに水分摂取、塩分の補給も必要。1日2リットル以上飲用。 のどがからからになってからではすでに脱水症状を起こしている可能性があります。 冷えた水を1度に大量に飲むより小分けにして飲むようにしましょう。
<もし、熱中症になってしまったら> 応急処置として、いかに体温を下げるかがポイントになります。 冷たいタオルを使用して首まわり、脇の下を冷やす。 涼しい木陰や室内に避難して水分補給します。
●予防という観点からも適切な水分補給と日頃の体調管理に努めるようにすることが大切です。●
☆院長が「医者選び」の本に再び掲載 されました!☆(角川SSコミュニケーションズ) 「脳疾患・最新治療&予防 全国名医109人」
「病院や肩書きにとらわれず、実力本位で専門医個人を厳選」した本書で、院長が
神経内科で取り上げられました!! 最新医療は出来ませんが、患者さんと向き合う
姿勢をご評価いただいたと思います。それに恥じないように今後ますます気を引き締
めて日常医療に当たっていきたく思います。(院長)