猿(申)にまつわる格言・ことわざ

   ・・・年始恒例、院長が、首ったけで調べました  

 

 皆様、明けましておめでとうございます。 今年は十二支九番手の申年です。 猿は、十二支の動物の中で最も人間に近いことは言うまでもありませんが、山の賢者で山神の使いと信じられていましたので、信仰の対象としても馴染み深い動物です。 猿(申)の干支の特徴としては、「器用で明朗活発。好奇心旺盛で要領がいい反面、落ち着きがない」とされます。 動物の猿を割り当てられた元々の「申」は「伸びる」ということで、物事が進歩発展し、成熟に至るまでの伸びを表すとされます。

      

 また、2016年の干支は丙申(ひのえ・さる)で、一方の「丙(ひのえ)」は、「あきらか・さかん」という意味があり、横に燃え広がる性質を持っています。 この「丙」と「申」が合わさる年ということで、2016年丙申は、現在の諸々の問題(欧州の難民問題、中国の経済破綻、中東の混迷等々)がさかんに広がり、発展してゆくのではないでしょうか?良い方向へ、解決に向かって発展してほしいものです。

 「申」は、方角では西南西よりやや南寄り(南西微北)の方角に相当、時間では午後4時を中心とする約2時間。 旧暦7月を「申の月」と呼びます(現在の暦の8月頃で夏)。 なお、今年の恵方は南微東(だいたい南南東あたり)です。  なお、「申年に赤い下着を贈ると病が治る」「申年に贈られた下着を身に着けると元気になる」などの昔からの言い伝えがあり、現在でも信じられています。 運を引き寄せるために、「赤い下着」を両親や兄弟、大事な人に贈ったり、皆様自身も身につけませんか?

    

 年頭にあたり、猿(申)にまつわる格言・ことわざ・比喩を掲載します。 実はこの年始恒例のことわざ調べですが、この「企画」を行ってひとまわり満12年となり、2順目に入りました。 今回は12年前の記事をそのまま掲載します。 (「手抜き~」という声が聞こえてきそうですが・・・)

       

●猿の尻笑い (同義=目くそ(が)鼻くそを笑う他)

猿が仲間の猿のお尻が赤いのを見て笑っている様子を指し、自分のことは棚に上げて人を嘲笑することをいいます。 猿の柿笑いも同じ意味です。自分自身のこともよく分からないのに、他人のことをあれこれ言う様は、はたから見て滑稽というほかはありません。

●猿に烏帽子(えぼし)/ 沐猴(もっこう)にして冠す

 その人物の外見や地位が不釣り合いなことを指します。 教養のない愚か者や小人物がうわべだけを飾る様子をたとえます。 人間には謙虚さが必要なのです。

●猿の水練、魚の木登り

まったく逆のこと、見当違いのことをするのを指します。 「軽卒」を戒める格言です。

●猿も木から落ちる (同義=弘法も筆の誤り他)

達人でも時には失敗することもあります。 何ごとにも「寛容の精神」が大切なのです。

●猿に木登り (同義=釈迦に説法他)

相手が得意としていること、知り尽くしていることをわざわざ教えることです。 余計なおせっかいは慎んだ方が無難でしょう。

●猿の空じらみ

猿が格好だけで虱(しらみ)をとっていないという意から、見かけは用事をしている振りをしていても、実は何もしていない様子を指します。 こんな人がいろんな職場に結構いたりして・・・。

(以上、平成16年当時の大阪医師信ニュースより転載・修正)

(以下は今回の新たな追加分です)

●猿猴捉月(えんこうそくげつ)

猿が水に映る月を取ろうとして溺れてしまったように、身の程知らぬ望みをもって失敗すること。「身の丈を知るべし!」ということでしょう。

●猿に絵馬

昔は猿を馬小屋の守神とする信仰があり、「おめでたい組み合わせ」ということだそうです。

格言やことわざは昔からの知恵の結晶です。 生き方の教訓としたいですね。

(院長)

          


 

♥ 「スマートエイジング」のお勧め ♥

副院長からのご提案

 

 ご高齢者に必要なのは「アンチエイジング」ではなく「スマート・エイジング」と思います。

     

 よく言われる「アンチエイジング」とは何でしょう?「若返りの技術」?「年をとらないための方法」?

     

 「エイジング」という言葉は、英語でageing(米語ではaging)と書きます。 ageは「年をとる」という動詞、ingは動詞の進行形です。 したがって、エイジングとは「年をとっていく、齢を加える」という意味です。 日本語では加齢と言います。 このエイジングは、受精した瞬間からあの世に行くまで、高齢者だけでなく、すべての世代の人が生きている限り続きます。 つまり、エイジングとは生きていることの証です。

      

 一方、アンチ(anti-)というのは英語で否定を意味する接頭語です。 したがって、アンチエイジングとは、生きていることの否定。 つまり「死ぬ」という意味になります。 若返りの逆ですね。

     

 東北大学加齢医学研究所では「スマート・エイジング」という言葉を提唱しています。 スマートとは「賢い」という意味です。 従って、スマート・エイジングは「賢く齢を加えていく」という意味です。

年をとるにつれ、私たちは身体や心などいろいろな面で変化します。 ところが、こうした変化は私たちにとって辛いことが多いのが現実です。 しかし、そういう変化にもっと賢く対処する生き方を選びましょう、そして、それを考え続けることで、私たちはもっと成長しましょう、年を重ねるごとに、より賢い生き方をしていきましょうというのがスマート・エイジングの思想です。

        

★スマート・エイジングのための7つの秘訣★

人は誰もが、生きている限り「元気に」「いきいきと」そして「自分らしく」人生を過ごしたいと思うでしょう。 そのためにはどうすれば良いのでしょう。

1 有酸素運動をする

2 筋力トレーニングを行う

3 脳のトレーニングを行う

4 年金以外の収入を得る

5 他人の役に立つことをする

6 明確な目標を持つ

7 好きなことに取り組む   

                                      (副院長)

 

 


     

◆ 五郎丸の「ルーティーン」から思ったこと ◆

院長のつれづれ随想

      

 ラグビー日本代表チームの五郎丸選手がボールを蹴る前に行なう、拝むような独特のポーズが有名になりましたが、それはスポーツの試合のここぞという場面で、集中力を高めたりゲンを担いだりする意味合いで行なわれる選手独自の儀式的所作の1つと言われています。 それを「ルーティーン」と呼び、この言葉も身近になりました。 野球のイチロー選手(投手に向かってバットを立てるなど)、引退した高見盛(ロボットのような気合い入れ)などの所作も有名ですね。 「これをやれば大丈夫!」と余計な迷いを断って「成功イメージ」を作って能力を最大限に発揮できるのに大いに役立つのでしょう。

    

 私(院長)も実は同じようなゲン担ぎをしています。 「ルーティーン」とは言えないかもしれませんが、人前でお話をする場合など、精神的な緊張が予想される場合、実は赤いパンツをはきます(何がきっかけで始めたのか忘れましたが)。 先日のクリニックでの健康教室でお話させていた際も赤いパンツをはいていました。 実際、赤いパンツをはくことで「これで大丈夫!」と気持ちが落ち着くのがわかります。 「申年に赤い下着をつけると良い」と言われているのでちょうど良いかも・・・

(院長)

     


      

☆☆(久々に)院長のお勧めの本☆☆

     

 ◇水曜社: 「老後はひとり暮らしが幸せ」「ふたり老後もこれで幸せ」

各 辻川覚志著1400円+税

高齢者にアンケート調査した結果、満足のいく老後の姿はなんと「独居」に行き着いたと、著者も驚く結論でした。 「慣れ親しんだ土地で気ままに生きる」ためには「できるだけ自分でやろうとすることが必要で、夫婦円満生活の秘訣は「2人がお互いに「独立」していること」! 心掛けたいと思いました。

              

 ◇集英社新書: 「沈みゆく大国アメリカ」  堤未果 740円 +税

誰でも公平な医療を安く受けられる日本の医療が、TPPによってアメリカによって破壊されようとしていることに驚愕しました。 日本の医療制度を守ろう!