院内報「こころ」
Medical Journal KOKORO
◆ 休診日のお知らせ ◆
☆ 4月30日(土)は休診いたします。
☆ 5月26日(木)は学会参加のため休診いたします。
・・・ 以上の日はご来院されないよう、ご注意下さい。
● 本年4月の診療報酬改訂の要点 ●
2年ごとに診療報酬の改訂が行なわれ、来る本年4月から改定されます。
「診療報酬」とは保険診療における「公定価格」で、これに基づいて皆様が医療機関に受診される場合のご負担額が決まります。 国の医療に対する考え方が反映され、国が「好ましい」と考える方向に国民や医療機関を誘導する手段ともなります。 国は医療費総体の伸びを抑えたいと考え、また、「団塊の世代」と呼ばれる世代の多くが後期高齢者となる2025年に向けて医療・介護サービスの「効率化」(言い換えると「できるだけ使わせないようにする」)を押し進めようとしています。 国の考えが色濃く反映した内容となっています。
皆さんと関係が深い事柄の改訂内容をお示ししましょう。
●入院がますますしづらくなります: 国は「時々入院、ほぼ在宅」を合言葉に、病院での入院期間の短縮化をさらに押し進めます。 これは急性期病院のみならず、いわゆる慢性期の病院にも適用され、症状の軽い長期入院の患者を自宅や施設へ退院させなければ病院自体が生き残って行けない仕組みが強化されます。 “早く追い出されるだけの急性期”“十分な医療をしてもらえない療養病床(慢性期)”“看る人がいないのに押し進められる在宅”“それ相当のお金がなければ入れない施設”・・・ 嗚呼(ああ)、日本の医療はどこへ行くのか!
●紹介状なしで大病院を受診すると、診察料などとは別に初診で最低5000円が請求されます。
●外来でのシップ薬は原則1回70枚までと明記されました。 ただ、私どもがシップ を処方する場合、制度の上で様々な制約が設けられ、実質、整形外科以外の医療機関(私どものクリニックも)ではシップ自体の処方が難しくなると考えられます。
国は薬局で買える薬剤は保険を使わせないとする方向を押し進めており、ビタミン剤、風邪薬、漢方薬等の「保険はずし」が画策されています。
●今までは診療所が在宅医療だけを行なうことは認められませんでしたが、在宅医療の推進のため在宅訪問診療専門の診療所開設が解禁されます。
●35歳未満の人が禁煙治療(「禁煙外来」)を受けやすいよう、医療機関の要件が緩和されます。
・・・等々の改訂が予定されています。 (院長)
♥ 骨粗鬆症になっていませんか?
副院長からのメッセージ ♥
寝たきりになる原因の1つとして骨粗鬆症がありますが、普段は特に症状もないので骨折して初めて骨粗鬆症と診断されることが多いものです。
潜在患者数は約1200万人でその80%が未治療と言われています。 年齢とともに骨密度は減少し骨折が起こりやすくなります。 咳をしただけで背骨の圧迫骨折を起こしたとか、尻もちをついて大腿骨頚部骨折を起こしたなんてことはよく聞きます。 そうなれば、寝たきりになったり、活動度が低下してしまうこともあります。 それを予防するためにも骨密度をぜひ検査してください。 そして骨密度が低下していれば、早期に治療をして骨折の予防をすることが大切です。
また、骨密度と動脈硬化は強く相関していて骨粗鬆症の人は心筋梗塞になる確率が高く、骨粗鬆症の治療をすれば、心筋梗塞の発症率が低下するといわれています。 年齢、骨密度、骨折の既往などにより色々な治療法があります。 自分で出来ることとして、カルシウムをしっかり摂る、しっかり歩く、1日5分は日光に当たるなどありますので実践してください。
骨密度測定については、DEXA法という方法が正確性に優れており、当院の近隣で実施している医療機関をご案内しております。 当院スタッフや担当医にご相談ください。
♡ 「きんトレ」久野信彦著 を読んで ♡
看護師 佐野 亜紀
双子のきんさん、ぎんさんを覚えておられますか?
きんさんのトレーナーであった久野整骨院院長の本です。 元々は薬剤師で痰の絡んだ時に処方されるムコダインを開発された興味深い経歴の方です。
その、きんさんは百歳の時には息子さんご夫婦に抱えられるように来院されたそうです。 また、数も10まで数えられない程度の認知症があったそうです。 その後、重りを用いたトレーニングもこなし100まで数えられるようになり、杖無しで歩けるようになったそうです。 きんさんには、ぎんさんの姿を見て歩く事に対する強い動機づけがあったのですが、私たちの体は幾つになっても応えてくれるんですね。
<院長コメント> 運動の習慣が認知症の予防に大いに役立つのみならず、軽度認知障害や認知症になった方々も、運動を日々しっかりと行なうことが進行予防につながることが明らかになってきました。 ぜひ、運動の習慣を身に付けてください!!
♡ 私の兄(当院の院長)のこと ♡
調整マネージャー 嶋田 和子
今年の10月1日・・・当クリニックが開院して20周年を迎えます!
私は開院時から勤務しています。 院長は私の兄です。 二人兄妹で小さい頃から私の自慢の兄でした。 学生の頃は、卓球部と水泳部に所属しておりエース的存在で、その頃はスリム体型でした(笑)。
毎朝、私は、NHKのラジオ講座の基礎英語を聞く兄の発音の声で起きていました。
小学校の時に野口英雄さんの自伝を読んで感動し将来の夢・・・医者になろう!と思ったそうです。夢叶ってドクターになって、皆様に慕われるかかりつけ医として毎日頑張っている姿を感慨深く見守っています。 また、カルテ整理や書類作成等の残務処理のため、時々徹夜して作業しているようなので、自身の体調に気をつけた上で、患者様の健康管理をよろしくお願いします。
昨年12月院長の長男が(医大生4回生)実地見学研修のためにクリニックに来ました。 将来、その嶋田ジュニアがデビューる日がやってくると思います。
今年は20年目を迎える年・・・私自身も、患者様がクリニックに安心して受診して頂けるように努力していきます。 クリニックの窓口として、なんなりとおっしゃってください。 心新たに頑張りますので、よろしくお願いいたします。
<院長コメント> 自分のことが取り上げられて照れくさいですね。 「初心忘れるべからず」で、気を引き締めたいと思います! なお、20周年を迎えるにあたって、今年の秋に皆様方が広くご参加していただけるような20周年記念行事を企画中です。
本年10月1日(土)午後にとりおこなう予定で、栂文化会館大ホールを借りちゃいました!!
♦ 日常の外来診療で最近感じたこと
老老介護の厳しさ ♦
当院に来院される方々の中で、ご夫婦のみのご高齢者のご世帯でどちらかの方を他方の方が介護されているという事例が少なくありません。 介護をされる方も、多くは病気を抱えていて、まさに「薄氷を踏む思い」で介護を続けられていることに頭が下がる思いです。 最近、介護が続けられなくなった事例が続きました。
● 脳梗塞でご不自由になった夫を妻が介護されていて、妻が介護の身体的負担のために心不全となり急な入院。 代わりに夫を介護できる人がなく、施設のショートステイを急拠利用するも、初めての利用で夫の精神状態が不安定になって、妻が退院するや否や夫が自宅に戻って再び介護生活へ;妻がすぐに再入院しなくていいことを願うばかりです。
● 認知症の大柄な夫を、小柄な妻が介護されていて、夫が転倒して頚髄損傷で歩行困難に陥りました。 自宅での療養が可能な状態ではあったものの、小柄な妻が大柄な夫を身体介助できないため、夫は施設入所。 一気に認知症が進まないか心配です。 ・・とも、安定している時期から施設のショートステイ等を利用していれば良かったのに・・・と悔やまれました。 (院長)