院内報「こころ」
Medical Journal KOKORO
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第1号:1997年08月20日
嶋田クリニック誌
『こころ』発刊によせて
昨年10月に嶋田クリニックを開院させていただいてから、もうすぐ早や1年になろうとしております。数々の不安を抱きながらもなんとかここまでやってこれたのは通院していただいている皆様のおかげと職員一同大変感謝いたしております。
開院当初から、「お一人お一人の心に手の届く医療」を目指してまいりました。まだまだ不十分とのご指摘もあろうかと存じますが、これからも「地域のかかりつけ医」として皆様に気軽に受診していただけるよう、また、よりご満足いただけるような医療をご提供していけるようがんばる所存です。
しかしながら、現実問題としてお一人お一人に関わらせていただく時間には限りがあり、私としても「必要な事を十分お伝えできなかった」と残念に思うことがしばしばあります。
そこで、医者として皆様に広くお伝えしたい事を配布物の形でお知らせしたいと考えたのをきっかけに、このたびクリニック誌を発刊することとしました。クリニックの職員と皆様との心の架け橋になればとの気持ちから、『こころ』という誌名にいたしました。
医学や医療の記事だけでなく、エッセイ等の気軽な読み物の掲載も考えております。また、ご通院されている皆様からのご投稿も大歓迎です。
おおむね2ヵ月毎の発行を予定いたしております。事情により、発行が予定通りに進まないこともあろうかと存じますが、その時はご容赦下さい(初めから『逃げ道』を用意している~との「蔭の声」が聞こえてきそうです)。(院長)
ストレス社会を
どう生きるか(プロローグ)
当クリニックの担当分野の一つである『心療内科』は、「ストレス関連病」を診る科と言い変える事ができます。現代社会はストレスに満ち満ちています。老若男女を問わず、ストレスにさらされ続ける事が多くなりました。
住みよい便利な社会を追及した結果が人間をますます追い詰めると言う皮肉な状況になっているのではないでしょうか。
ほどよいストレスは、むしろ人間の能力を大いに高める上でプラスに働きます(試験前日の追い詰められた状況で記憶力や集中力がアップするという例など)。
しかし、慢性的持続的ストレスはやがて心身の変調をきたし、動悸・頭痛・慢性下痢といったような身体症状を呈する事があります。ストレス源から遠ざかるのも至難のわざである以上、ストレスをため込まない工夫が必要です。
☆ストレスに『打たれ強くなる』:
ストレスに対して強い弱いという個人差があります。ストレスに強い人は、力のぬきどころを知っている、物事をプラス指向でみる、気分転換がうまい、自分を追い詰めない等の特性を持っています。
☆そのつど感情を発散させる:
ストレスのたまりやすい人は「よい子、よい人」を演じ続けてしまう人に多いと言われています。我慢もほどほどに、適当に感情を爆発させてもいいのではないですか(もっと弱音を吐きましょう)。
☆自分なりのリラックス法を持つ:
人の意見に左右されず、やっていて気分がほぐれると実感できる気分転換法を持ちましょう。
(続きは適宜掲載いたします)
院長(改めて)自己紹介
何を今さら~と言われそうですが、いわゆる経歴は開院パンフレットや院内掲示にてお示ししておりますので、もっとプライベートな部分を明らかにいたしましょう!
私、生まれは大阪府門真市ですが、すぐに大阪府吹田市に移り小学校6年まで過ごしました。以後、父の転勤に伴い、奈良県磯城郡田原本町にて社会人となるまで過ごしましたので、奈良県がふるさとと思っています。結局、国立泉北病院での勤務が長かったことで堺市泉北の地に開業することとなりました。
中学・高校・大学と卓球部(一時水泳部にも所属)にて活動、ほどほどにスポーツマンでした。長距離走も得意で、学校や地域の大会では上位入賞してました。今よりずっとスマートで、筋肉隆々だったなあ~。
趣味は写真撮影、天体観望、クラシック音楽鑑賞、史跡めぐり。ことに、天体観望については医者になってからも特別な思い出があります。
今から11年前、私は長野県佐久市立国保浅間総合病院の一般内科医として勤務しておりましたが、ちょうど、 ハレー彗星が地球に接近する機会に遭遇しました。空気の透明度や光害の少なさに恵まれ、彗星の雄姿を満喫できました。病院の屋上で自分の反射望遠鏡を設置し、夕方や早朝に寒さに震えながら写真撮影(ガイド撮影:彗星の動きにあわせて手動で微動装置を動かしながら撮影)したり、観望会を開いて病院の職員に彗星を見せたりしました。
そして昨年は百武彗星、今年はヘールボップ彗星を堪能させてもらいました。 余談ですが、ハレー彗星が接近してきた年は阪神タイガースが優勝した年でもある(私は熱烈な阪神ファンです)ので、余計 にこの1986年を印象深く覚えているのでしょう。
なお、もう既にお気づきの方も多いと思いますが、私は幼少時からアトピー性皮膚炎に悩まされてきました。顔が赤いのは酒を飲んだためではありません。受験勉強に追われていた時や医者になってストレスが続く状況でアトピー性皮膚炎がひどくなり、これがストレス関連疾患であることを身をもって感じております。
開業してからも医療制度の改定に振り回され、当分アトピー性皮膚炎が沈静化することはなさそうです。
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