開院1周年を迎えて
 昨年10月に嶋田クリニックを開院させていただいてから、1年を経過いたしました。ちょうど1年前は私を含め職員一同慣れないことばかりで、患者の皆さんにも数々のご迷惑をおかけしたことを赤面しながら昨日のことのように思い出します。なんとかここまでやってこれたのは通院していただいている皆様のおかげと職員一同大変感謝いたしております。
  今年の9月からは、患者さんの窓口のご負担が増え、私どもといたしましても心苦しい限りです。国の施策として、さらに患者さんのご負担を増やす計画がなされています。厳しい情勢にありますが、医師会や保険医協会などの活動を通じて反対の声を上げてゆく所存です。

 一方、皆様の「かかりつけ医」としてご要望にお応えできるよう、初心にもどってさらに頑張る所存です。通常の外来診療はもちろんのこと、在宅医療の充実をはかることや(私は桃山台小学校の学校医もいたしておりますが)学校医として責務を十分果たすことなど、地域に根ざした活動の充実を図っていきたいと考えています。また、時々、患者さんを対象にした「医療講座」の開催も予定いたしております。

 ご通院される中で、改善した方がよいとお思いになられたこと、新たにおこなったら良いとお思いになられること等、ご意見がございましたら、ご提言いただければ幸甚に存じます。これからも気分を新たに、職員一同頑張る所存ですのでどうぞよろしくお願いいたします。 (院長)


お風呂に入るときの留意点
 秋本番となり、お風呂が恋しい季節を迎えました。「お風呂・温泉は体に良い」と言われますが、間違うと「毒」になりかねないというのをご存じでしょうか?

 一般に日本人は熱いお湯を好む傾向にありますが、43度を越えると好ましくないと言われています。熱いお湯に入ると血液がかえって粘っこくなり、血管を詰める病気を起こしやすくことがわかっています。さらに、血管が広がりすぎて血圧を下げすぎて「脳貧血」を起こしやすくなります。一般にはぬる目のお湯でゆっくりつかるのが好ましいと考えられています。お風呂上がりには(入浴中に汗をかなりかいて水分が不足していますので)十分に水分をとりましょう。

 なお、急な温度変化を避けることが血圧の急激な変化を予防することになります。特に一番風呂に入る人は、あらかじめ浴槽のふたを開けておいて、浴室の温度を上げておくと、温度変化を少なくすることができます。

  また、食事をしてすぐに入浴するのは避けましょう。食後は血圧が下がっていることが多く、特に飲酒を伴っていると血圧低下がはなはだしくなりますので、食事・飲酒のあとでの入浴は、相当時間がたってからにしましょう。温泉の中での飲酒は禁!

 なお、「風邪の時の入浴の是非」を外来でよく質問されますが、一般に、発熱や強い風邪症状がなければさしつかえないと思います。鼻水、咳等が少々なら、通常どおり入浴し、湯冷めしないように早めに就寝するようにすれば良いと考えます。(院長)


ストレス社会を どう生きるか(その2)
自律訓練のすすめ

 前号ではストレスへの処し方の概論を述べました。ストレスの原因を取り除くことができればそれに越したことはないのですが、このストレス社会ではストレスから逃れることは容易ではありません。できれば、ストレスを受けても「打たれ強い」状態を作っていくのが得策のようです。「打たれ強い」状態を作る方法は色々ありますが、簡単にできる方法の一つに『自律訓練法』があります。

  一言でいえば、ストレスでかき乱された心を鎮めるため、「体に働きかけることによって心を静める」方法です。

 【心身一如】という言葉がありますが、心の状態は体調に影響しますし、逆に体調が心の状態を左右します。心のリラックスを得るために、体の力を抜くように意識的に試みるのです。
 
 たとえば、意識をおへそのあたりに集中させ、「おへそのあたりに」空気を出し入れする様なつもりでゆっくりと深呼吸するのです。心が乱れていると感じるときに、一旦作業を中止して、数分間これをやってみて下さい。この呼吸法だけでもかなり気持ちが落ちつくはずです。
 ただし、この方法を行うときは、柔らかい布団の上に仰向けになる、無理なら、椅子に深く腰掛けて両腕を肘掛けに乗せる、つまり、全身の筋肉の緊張をできるだけとるような姿勢をとって行う必要があります。ストレスが持続しているときは、時間を決めて、一日に数回行うといいでしょう。

 以上は一例ですが、詳しくは『自律訓練法』と題打った成書をご参照下さい。 (院長)