♪巻頭言♪
 『こころ誌』第3号の発行が大幅に遅れてしまいました。言い訳がましくなりますが、昨年から患者さんにさらなる負担を強いる健康保険制度の改定が続き、その都度準備や事後処理に追われてしまいました。今後は皆さんにぜひとも知っていただきたい情報等をその都度お知らせするべく、『こころ誌』の発行頻度を増やしていく所存です。(「予定は未定で決定ではない」などともう言い訳を考えたりしておりますが・・・) (院長)
 
 
☆大豆が心筋梗塞を予防☆
 京都大学の家森教授らの研究によると、大豆食品(豆腐、納豆など)を多くとっている人ほど心筋梗塞の死亡率が低いことが明らかになっています。十分な効果を得るには、一日あたりに換算すると、豆腐なら半丁ほど、納豆なら60g程度とれば良いそうです。関西では納豆を嫌う人も多いのですが、納豆はビタミンKも多く骨を強くする作用もありますので、積極的に食べることをお勧めします。 (院長)
 
 
☆喫煙者の生命の危険性☆
 タバコが体に悪いことがわかっちゃいるけどやめられない・・・という声が聞こえてきそうですが、今一度、いかに危険かをお示しいたしましょう。喫煙者が非喫煙者と比べて、ガンや心臓病、脳卒中などの病気で死亡する危険性が高いことはすでに証明済みです。たとえば、ガンでの死亡の危険性がいかに増えるかを右上の図でお示しいたします。ご覧のように、肺癌は4.5倍、喉頭癌はなんと32.5倍になります。
 
 生命保険会社もこの事実に注目し、タバコを吸わない人の保険料を下げる動きが出てきています。タバコを吸うかどうかは唾液や尿で調べることができ、これは短期間禁煙するだけではごまかせないくらい精密なものと言われています。いろんな面で喫煙者と非喫煙者の差をつけていこうとする動きが進む見通しで、愛煙家の方はいよいよ正念場と言えそうです。(院長)
 
 
☆糖尿病の診断が変わる!☆
 アメリカでの糖尿病の診断基準が変わり、それを受けて日本でも糖尿病の診断基準の見直しが進められています(近々改訂予定)。糖尿病患者が激増するなかで、今までの「甘い」診断基準では早期の糖尿病患者を見逃す可能性が高いこと、早期からきっちりと糖尿病をコントロールすれば「治る」ことも可能とわかってきたためです。軽症・早期の糖尿病患者の拾い上げがより進むはずです。
 健康診断でもおなじみの『血糖』ですが、今までは空腹時の血糖が140mg/dl以上を糖尿病の目安としていました。それをアメリカでは126mg/dl以上と引き下げられています。今一度、健康診断の結果を見てください。
 

●米国糖尿病学会の新・糖尿病診断基準
1. 空腹時血糖が126mg/dl以上。
(「空腹時」とは8時間以上なにも食べていない状態を言う) ?糖尿病の症状に加え、随時(食事とは 関係なく)の血糖値が200mg/dl以上。
 
2. ブドウ糖負荷試験で2時間後の血糖値 が200mg/dl以上。 *上記のいずれかで診断

 
 すなわち、採血の時点が食前であれ食後であれ、血糖が200以上の人は即、糖尿病となるわけです。また、空腹時の血糖の正常値は、110mg/dl以下とされています。詳しくは、診察時に院長にお尋ねください。
 早期・軽症の糖尿病は自覚症状がなく、健康と自負される方も、堺市のすこやか健診等を年に1回は受けることをお勧めします。当院でもすこやか健診を実施いたしております(要予約)。(院長)
 
--お知らせ--  
 当院では、家庭で使える血糖測定器をお貸しできるようになりました。糖尿病の方でご希望の方は院長にご相談下さい。但し、試験紙代は患者さんのご負担となります。
 
 
☆ストレスに気付こう!☆
 最近、ストレスからくる体の変調に気付かず、ある日突然に倒れてしまう人が増えています。相当なストレスがたまっているにもかかわらず、ご本人に自覚がなく病気が発症するまでわからないのです。こういうタイプを「過剰適応タイプ」と呼び、ついがんばりすぎてしまうのです。周りからもタフだともてはやされ、ますます弱音を吐けずに期待に応えようとしてしまうのです。そういうあなたに、アドバイス。
 
1. 完璧主義は危険。人に頼むのも仕事のうち。
 
2. 一人で悩まず仲間に相談。?仕事と休日をしっかり区別。
 
3. 誰も知らない喫茶店や飲み屋、公園などでほっと一息。
 
4. 今、体にストレスがかかっていないか自己点検を忘れずに!
 
5. 命あっての物種。体の変調があればかかりつけ医に相談。(院長)