院内報「こころ」
Medical Journal KOKORO
◆当面の休診日のお知らせ◆
当面の休診予定日をお知らせいたします。
お間違えのないようご注意下さい。
*7月の休診日:7月31日(土)は休診します。
*夏季休診期間:8月12日(木)~17日(火)の期間は休診します。
◎土曜日は不定期に休診いたしますので、ご予約なしに受診される場合は必ず電話にてご確認の上、ご来院下さい。
夏を乗り切るために(文:副院長)
夏バテ”という言葉はよく使いますが、その実態は意外と知られていません。夏バテは病気ではなく、全身の疲労と言えます。それにしても、どうして夏になるとこんなに疲れるのでしょう?
それは蒸し暑い気候や冷房による人工的な環境に体が適応できないからです。環境への適応をコントロールしている自律神経系とホルモン系は、体温にかかわる末梢血管の拡張と収縮だけでなく、発汗の調節、食欲にかかわる胃腸の働きや消化液の分泌、呼吸、排尿、生殖器などの働きも自動的に調節しています。ですから、体の自動調節機能が環境に適応しきれなくなると、だるい、食欲がない、眠れない、肩こり・腰痛・手足の冷え・むくみなど、様々な症状が起こってくるわけです。(ただ、夏バテと思っても病気が隠されているかも知れませんので、ぜひご相談下さい。)
夏バテの予防・解消のためには、
1. 睡眠を十分にとる。
2. 良質のタンパク質を摂る(ナッツ類、牛乳、カツオ、鯛、若鶏、豚など)。
3. アミノ酸の働きを助けるビタミンB2、B6を摂る(牛レバー、豚肉、鶏肉、イワシ、サツマ芋等)。
4. 筋肉を柔らかくして、酸素と栄養素を全身に送る、ストレッチ運動をする。
以上のことを心掛けて、夏の暑さを乗り切って下さい。
(嶋田文子副院長)
医療トピックス:米国厚生省からの報告書
喫煙者の男性で平均13.2年、女性で平均 14.5年、
寿命が短縮 (MedWaveより)
米国厚生省(HHS)は5月27日、喫煙は体のほぼ全ての臓器に対して悪影響があることを明らかにする報告書を公表しました。報告書では、これまでの研究結果に基づき、喫煙が原因と考えられる多数の疾患を特定しています。
HHSでは1964年以来、喫煙の健康に与える悪影響について27回に渡り同様の報告書を公表しています。今回、これまでの報告書で特定できなかった疾患で、新たに因果関係があると認めたものの例としては、胃癌、子宮頚癌、膵臓癌、腎臓癌、急性骨髄性白血病、肺炎、腹部大動脈瘤、白内障、歯周炎などがあります。
同報告書ではまた、喫煙者は男性で平均13.2年、女性で平均14.5年、早死にするとしています。
米国では毎年、喫煙が原因で死亡する人は約44万人だといいます。
これでも皆さんはタバコを吸い続けますか?
<禁煙のためのお助けサイト>
禁煙支援のためのインターネット上のサイトをご紹介いたします。
◆禁煙ネット
http://www.omronsoft.co.jp/press/sotsuen.html
◆禁煙WEBネット
http://www.nifty.com/kinen/
◇健康情報を見極めるために◇
(朝日新聞より改変)
「ガンを予防できる食生活」「短期間でできるダイエット」といった健康や栄養に関する情報があふれています。でも、こうした話はどこまで信用できるのでしょうか? えてして、こういう情報は過大評価されて広まっていることが多く、その原因は科学っぽい「三段論法」が背景にあると指摘されています。
例えばこんなケースです。(1)紅茶には抗酸化物質のポリフェノールが含まれている (2)ポリフェノールは発ガン物質を減らす (3)だから、紅茶はガンを予防する といった工合です。
ポリフェノールの働きについては多くの研究結果がありますが、紅茶のポリフェノールはどんな風にガンに効くのか、どの程度の量が必要なのか、といった研究はありません。 ところが、テレビ番組などではそのあたりのことを無視し、三段論法で「◯◯はガンに効く」とだけ紹介している場合も少なくありません。 仮に効果があるとしても、本来、健康は様々な要素に影響されて形作られるもので、単純に一つのものだけで健康を守れるわけがありません。労働、食事、運動、休養など、いろんな要素がバランス良く関わることで健康が形作られるのです。
キノコや野菜エキスなどで「病気が治った」といったたぐいの本には特に注意する必要があります。本に書かれている体験談は、全体で何人が試し、うち何人にどのような効果があったのかを示さないと科学的とは言えません。また、動物で効果があっても人間で効果があるとは限りません。さらに、有効な成分であっても、それだけを多量に摂ると弊害が出る場合もありますし、薬との併用で別の副作用が出る恐れもあります。 特に、「100%」「必ず」「絶対」効果がある、との表現をしているものは注意して下さい! 誇大表現の疑いがあります。
もちろん、健康食品も効果が全く期待できないものばかりではありませんが、利用されている場合は、必ず、主治医にご相談下さい。(院長)
☆ おもしろ医学ばなし
心臓が右側にある人っているの? ☆
「人間の心臓は体のどちら側にあるか」といった質問に対しては、「左側に決まっているよ」との答えが返ってきます。しかし、なんと、こうした医学常識があてはまらない場合があるのです。「内臓逆位症」といって、心臓だけでなく、臓器すべての位置が左右あべこべの例があるのです。しかもこれは特に珍しいとは言えないのです。「内臓逆位症」は病気でもなんでもなく、普段の生活は何ら不自由しません。しかし、困るのは病気になった様な時、誤診を受けやすいことです。通常右側腹痛を起こす虫垂炎(いわゆる「盲腸」)がこの「内臓逆位症」の人に生じた場合、左側腹痛が起こるため、誤診されやすいのです。 われわれもこういうケースがあることを忘れないように心掛けています。
(「アルフィックス情報」より)
☆患者さんへの 院長の推薦図書☆
クリニックの待合室の掲示で、NHK教育テレビの人間講座『患者が主役』(6~7月、毎週水曜日の午後10時25分~50分、講師:鎌田實先生)のことをご案内させていただいておりましたが、この鎌田實先生の書かれた著書を患者の皆さんに推薦いたします。
◇『がんばらない』
鎌田實・著 集英社 (1600 円 + 税)
◇『あきらめない』
鎌田實・著 集英社 (1500 円 + 税)
ともに、病院の中のあたたかなふれあい、家族の絶えまない励まし、患者さんの心を大切にする医療が描かれています。医療の原点を見る思いです。我々医療従事者こそ読まなければならない本ですが、患者の皆様にも、病気との向き合い方、健康のとらえ方、ひいては、悔いのない生き方や明日を見つめる生き方を今一度見つめ直していただくためにぜひご一読いただきたい本です。(院長)